コラム

2019.02.28

商標の類似・非類似について(2)

前回は

「商標の類似・非類似」が、どのような基準を設けて特許庁が判断をしているのか

を、解説をさせて頂きました。

 

もう一度、おさらいですが、

その基準は「類否判断の3要素」といわれており、

外観、称呼、観念のうち

1つでも類似があれば類似商標とされます。

 

即ち、

見た目が類似しているかどうか、

読みが類似しているかどうか、

意味が類似しているかどうか、

このような判断によって審査されています。

 

なお、具体的に言いますと、ロゴマーク等の図形商標を審査する場合は、

基本、見た目が類似するかどうかで審査します。

 

何故なら、図形商標からは読みが出ませんし、意味も出ませんから、

必然的に外観(見た目)のみの審査となります。

 

例を挙げれば、問題になったあの東京オリンピックのロゴマークですが、

外観類似ではないかと騒がれ採用が見送られました。

 

因みに、この件に関し特許庁は何も判断をしていません。

これはJOCが自主的に採用を見送っただけで、

「類似」と判断・確定された訳ではない事を付言させて頂きます。

 

一方、文字における商標の場合は、大半が

読みが類似するかどうかで判断します。

 

例を挙げれば、今年一斉を風靡したピコ太郎の「PPAP」に対して、

もし「PPAB」という商標があれば、これは読みが類似として

判断されるのではないかと推察されます。

 

「ピーピーエーピー」

「ピーピーエービー」

いかがでしょうか?

紛らわしいですよね?

 

なお、レアな判断ですが、「王」と「KING」のように

意味が同一又は類似の場合は権利化できません。

 

また、文字商標であるのに、外観類似かどうかで争われたケースもあります。

 

BIG1とBIGIです。

ビッグワンとビギです。

 

読みは類似しませんが、見た目はいかがでしょうか?

確かに、紛らわしいように思いますね。

 

次回は、このBIG1とBIGIの判例について触れたいと思います。

投稿者 奈良特許事務所

2018.11.24

商標の類似・非類似について(1)

前回は「商標」とは何か?について解説をさせて頂きました。

 

今回は「商標の類似・非類似」について

解説をさせて頂こうと思いますが、

その前に商標が登録されるという事は

独占権が認められるという事です。

 

従いまして、同一の商標が他に存在していたり、

また類似の商標が他に存在していると

独占権の意味が全くなくなってしまいますので、

これらの商標は特許庁の審査の段階において

ふるい落とし、排除しなくてはなりません。

 

では特許庁はどのようにして判断をしているのかというと、

ある基準を設けて類似・非類似の判断をしています。

 

その基準は「類否判断の3要素」といわれており、

外観、称呼、観念のうち

1つでも類似があれば類似商標とされます。

 

即ち、

 

見た目が類似しているかどうか、

読みが類似しているかどうか、

意味が類似しているかどうか、

 

このような判断によって審査されています。

 

次回は具体的な例をあげて解説したいと思います。

投稿者 奈良特許事務所

2018.08.16

「商標」とは何か?

「商標」とは何か?

これは基本中の基本となる事項ですが、まだまだ誤解をされている方がいらっしゃいますので、簡潔にコメントをさせて頂きます。

平たく言えば、読んで字の如く「商品又は役務(サービス)の標識」となります。

一例を挙げれば、商品「携帯電話」の標識「iPhone」、商品「自動車」の標識「プリウス」、サービス「資金の貸付」の標識「りそな銀行」、サービス「小売販売」の標識「ドン・キホーテ」等となります。

従って、標識だけで取得することはできません。

どんな商品や役務(サービス)として使用するのかが必要となります。

「◯◯◯と言う名前で商標を取りたいのですが取れますか?」と、たまに相談にお見えになる方がいらっしゃいます。

これでは調査をして似ている商標があるかどうか判断することが出来ないのです。

「商」と「標」、この組み合わせがあって初めて「商標」となることをご認識下さい!

次回は、その「商標」の類似・非類似について述べたいと思います。

 

投稿者 奈良特許事務所

2017.03.03

商標保険???

表題の「商標保険???」ですが、このような保険商品はこの世に存在しません。

私が言いたかったのは、商標登録をする一つの理由として、「保険」の意味合いがとても強いと言う事です。

なお、商標登録をしても、それによって利益を産むものではありません。

安心して会社名が使える、安心して商品やサービスを提供することができる、と言う事がとても重要です。

どんな優れた商品やサービスを提供し人気を博したものであっても、商標権を侵害していたら、その商品やサービスを提供出来なくなるばかりか、今まで築き上げてきた信頼も失墜することになります。

貴方は、結婚して大切な家族ができたら生命保険に入りませんか?
貴方は、自動車を購入したら自動車保険に入りませんか?
貴方は、家を購入したら火災保険や地震保険に入りませんか?

商標はこれと同じ意味合いがあると思います。

貴方が起業の際に付けた愛着のある会社名、その後の商品名やサービス名を誰にも文句を言われず安心して使用したいのであれば、是非この「商標保険???」に入っておくべきです。

 

 

投稿者 奈良特許事務所

2016.10.18

社名は商標登録すべきか?

1.株式会社ファーストリテイリング さま
2.株式会社ゼンショーホールディングス さま
3.三起商行株式会社 さま

突然ですが、ここで問題です。
以上の会社のメインブランドは何でしょうか?
これらは比較的有名であるので、かなりの方はご存知だと思います。

答えは

↓↓↓

↓↓↓

↓↓↓

↓↓↓

↓↓↓

↓↓↓

↓↓↓

↓↓↓

↓↓↓

1.ユニクロ
2.すき家
3.ミキハウス

では、商標の観点から考えた場合、社名とメインブランド、どちらが重要で価値が高いかと言うと、勿論メインブランドの方になると思います。

社名は何とか変更できても、メインブランドは変更できませんよね。

ですので、どちらが特に重要なのか優先順位を決めて商標登録すべきだと思いますが、決して社名は商標を取得しなくても良いのではなく、前回にも記載しましたが、住所と共に会社名を記載する以外の使い方は商標として認識される可能性が高いので、企業防衛上、商標登録すべきだと考えます。

因みに、上記3社はメインブランドは勿論ですが、会社名でも商標登録されています。

投稿者 奈良特許事務所

2016.04.24

貴方の会社の隣に、全く同じ名前の会社が来たら・・・

新年度が始まり、各企業では新たな目標に向かって活動されていると思います。

そして心機一転、社名や屋号を変更したり、また起業によって社名や屋号を決めてスタートを切られる方もいらっしゃると思います。

ここで質問です。

「ある日突然、貴方の社名と全く同じ社名の企業が隣に来たら貴方はどう思われますか?
それも全く同じ業種です。」

さて、どうしたら良いでしょうか?

「困るな~。どこか知らない遠いところに行ってくれないかな…」
「社名を変更してくれないかな…」

貴方はきっとそうして欲しいと願うはずです。

しかしながら、貴方は何を根拠にそのような事を言えるのでしょうか?

そんな権限が貴方にあるのでしょうか?

実は、平成18年5月1日に会社法が改正され、同一管轄内での類似商号の禁止規定がなくなったのです。

即ち、貴方の隣に全く同じ社名で全く同じ業種の企業が来ても、貴方は基本的に文句を言う事が出来ないのです。

でも、しかしですよ。

それに対抗できる手段があるのです。

それは、・・・

「商標権」を取得する、と言う事です。

「商標権」を他人よりもいち早く確保することによって、安全に使用出来るばかりか、他人の使用も排除出来るといった効力があります。

したがって、社名変更や起業する場合には、必ず事前に商標調査される事をお勧め致します。

投稿者 奈良特許事務所

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